我が家は工場ではないし、ベンダーマシーン (曲げ加工をするための道具) をはじめ、電動ドリル、万力、工作台さえありません。でも、アルミ板を切ったり、曲げたりしないと、目指すモノが作れません。
さて、どうしましょう?
今から、道具を揃えても、この先ずっと製作し続けるとは限らないし・・・せっかく道具を買っても、「宝の持ち腐れ」になったら、もったいないです。
我が家にある道具は、カッターやペンチ、錐、ヤスリ・・・・と一般的なモノばかり。
今はアマチュアでも電動工具を揃えて、プロ並みの工作をされている方もいますよね。羨ましい。そういう方なら、いとも簡単に製作できるでしょう。
いくら自分だけが使うと言っても、あまりにも自己満足過ぎて、見た目も悪く、見すぼらしいモノは作りたくありません。・・・・ということで、うまく作れる自信が全くない場合は、始めから製作はしませんが。
自分は道具も限られている完全なアマチュアですが、前回の試作品では満足できなかったので、拡張テーブルをもう一度作り直したいと思います。
両脚なので、テーブルとしても使えるように・・
N-project チタン製 遮熱テーブルに
スライド式拡張テーブルを取り付ける
前回は試作と言うことで、出来るかどうかを確かめるためでした。
なんとかできそうな感触、そして目途もたったので、今回はさらにうまく作る手順を考えてみました。
*前回の反省。
・ただテーブルの上に乗ってるだけではなく、スライド感が出るように、テーブルの側面にも少しかかるように切断する。
・Rをしっかりと出す。
・スライド時の「遊び」を作り、するすると動くように、そして見た目よく仕上げる。
・工業製品とまでいかないまでも、素敵な形にしたいですね。
製作手順。
「光 アルミ0.5×300×400mm HA0534」
¥488。これなら4枚は作れそうです。
1mm厚の方が丈夫なことはわかりますが、厚みがあると元のテーブルとの段差が出過ぎて邪魔になります。かと言って、薄すぎるとペラペラで使い物になりません。
丈夫さと言う点ではステンレスがいいのですが、加工に適した薄いステンレス板はありませんでした。しかも、ステンレスにすると重くなってしまうので、結局、扱い慣れている0.5mmアルミ板で製作することにしました。
アルミ板は、小さなテレビが入っていると思わせるような大きな箱で届きました。
①アルミ板を 155mmx200mmにカットします。内側に曲げる時のことも考えて、200mm以上と少し長めにしておいた方が楽です。(てこの原理)
切断はカッター。ハサミだと反対側がクルクルと丸まってしまい、残った板が使いにくくなってしまいます。
カッターで切る場合は、しっかりした定規があった方がいいです。我が家の定規は凸凹しているので、線に段差ができてしまいました。カッティング定規というものもあるようですが、金属製の定規がお勧めです。
カッターで何度か切っていくと、裏側に傷が見えてきます。
写真のように定規を当てて、まっすぐに折り曲げます。簡単に切断できます。
②チタンテーブルを金型 にして、まず片方を曲げます。ずれないように、がっちりと固定したいのですが、万力はないし、固定するモノがありません。しっかりと 脚で体重をかけて 曲げるしかありませんでした。
アルミ板の下に定規を入れて、まっすぐに曲げ始めます。
ある程度曲げたら、定規などを当てて直角にします。綺麗に曲げることが出来ました。
反対側も同じように曲げますが、ここで「遊び」づくり。
そのまま曲げてしまうと、金型にピッタリ過ぎて、スライドできなくなってしまうので、養生テープを貼って、少し隙間を作りました。
これでスルスルと左右に滑るスライド式になりました。
③かなりアバウトなライン。
ここもカッターで切っていきます。型紙を作っておくと便利です。反対側と同じ長さに切り取らないと、切り口がずれてしまって見た目が悪くなります。
我が家には電動ドリルがないので、穴を綺麗に開けられません。そこで、図のように直線で切った後に半丸ヤスリで削っていくことしました。カッターとヤスリがあれば出来る作業です。
このラインを一気に曲げたいので、アルミ板を当てています。そして、ペンチでグイグイと動かすと・・・
無理にペンチで引っ張ると歪んでしまうので、注意。
こんな風に仕上げたいのですが・・・⇓
チタンテーブルにはめてみて、スルスルと動くかどうかチェック。
脚の出っ張りにあたってしまったので、少しずつヤスリで削りました。けっこう微調整に時間がかかりました。★削り過ぎに注意★
そして、こんな感じに。
④最後は、内側に曲げて落下防止。
図のように直角に曲げたらカッコいいのですが、直角にしたら固くなってしまったので緩く曲げ直しています。
しっかりと押さえて、上手に曲げないと、こんな風に外側に丸まってしまうこともあります。クランプがあればなー。この側面はまっすぐに仕上げたい部分です。
金型ぴったりに曲げてしまうと、固くてスライドできなくなってしまいます。段ボールで浮かせたりと苦労しました。
ハンドメイドなので、精度が・・・
内側に折り曲げた部分が長すぎて脚と干渉してしまい、脚が開けなくなってしまいました。下の写真がその状態。仕方なく拡張テーブルを真ん中に配置しています。
ということで、この後、脚と干渉しないように、少し短めにカットしました。
⑤全ての切断面をヤスリで粗削りし、その後に目の細かいヤスリでツルツルにしました。
とりあえず完成です。
天板はそれほど広くはないで、クッカーや取り皿などたくさん並べるわけにはいきません。
余談 : オーダーキッチンでは、まな板、水切りがスライドできる仕様もあるようで、スライドは便利な仕組みなんですね。
前回の試作品 (右) と比べて。
の文字は、印刷したものを糊で貼っただけ。
透明シールだったら、なおかっこいい。
試作品はペラペラの薄い一枚板がテーブルに乗っているという印象でしたが、新作は側面まで回り込んでいるので、デザイン的にはこっちの方がいいかと。
試作品。
新作。
たいした道具がなくても、このぐらいの加工は可能です。
道具は、油性ペン・カッターマット (硬い台でも可) ・カッター・定規・ペンチ・紙ヤスリ(粗削り)・耐水ペーパー(仕上げ なくても可)・4mm半丸ヤスリ (丸棒に紙やすりを巻いたものでも可?)。
電動工具などを持っていなくても、このくらいなら誰でも揃えられるでしょ?
コロナ禍で、DIYが増えているとか。チタンテーブルをお持ちの方はトライしてみてはいかがでしょう?
N-Projectのチタン製遮熱テーブルだから使える拡張テーブル。これが縞板や片脚タイプの S製・F製だったら無理ですね。
本体のテーブルに密着していますから邪魔にもならず、収納ケースにも入るし・・・・
*テーブル本体には何も手を加えていないので、必要なくなったら外してしまえば元のチタンテーブルに戻ります。
*とりあえず、これでチタンテーブルのカスタマイズは終了です 。
さて、最後は表面加工。(どうせ、傷がつくので、このままでもよさそうですけど)
ただヤスリをかけても汚く見えるだけなので、Space Fireのテーブルのように「バイブレーション仕上げ」にしてみようかと思います。
「バイブレーション加工」なんて難しそうですが、ネットを見たら、「 マキタのランダムサンダーに#80のペーパーサンダー付けて削ります。」とありました。
ランダムサンダーという電動工具があるんですね。しかも、研磨目の深いステンレスバイブレーションが目立ちにくいそうです。
やっぱりそれを買うしかないか?
関連して・・・
チタンテーブルでも使えると思って・・・
KVASSの¥10,00以下の遮熱テーブルもテーブル化してみた記事⇩