昨秋、アゲハの幼虫を飼育して、何頭か羽化させましたが、羽化しなかった個体です。
蝶はたとえ蛹になっても、全てが無事に羽化できるとは限りません。セミも同じです。背中が割れて、体が出始めても力尽きて途中で死んでしまったセミの幼虫を何度か見たことがあります。
この蝶の蛹も、羽化しなかったので、そんな個体の一つかと諦めていました。
ところが、昨日、パソコンをやっていると、パタパタと突然飛んできたのです。
昆虫は明るい方向に飛んで行くので、蝶も同じように窓のカーテン目掛けて飛び立ちました。
この二階の部屋は日当たりが良いので、真冬でも物凄い暑さ。
それでも羽化しなかったということは、気温だけではなく、何か季節を感じ取るセンサーがあるのでしょうね。
●気温?
●太陽の角度?
●春の日照時間?
●湿度?
と、色々考えても分かりません。
3月なので羽化の時期としては花も咲き始めたし間違いではありませんが、ただ、他の仲間がいるかどうか、それが心配です。
ネットで調べると・・・
アゲハチョウの羽化時期
アゲハチョウは寒い冬の間を蛹で過ごし、春暖かくなってから成虫が羽化します。
ところが、あるところでは、年中、もちろん冬も成虫が羽化しています。野外と同じ状態で飼育してもこうはなりません。
どうして年中成虫が羽化するのでしょうか。
一つは温度です。年中24℃ほどに保ちます。しかしそれだけでは冬にも成虫が羽化してくるというわけにはいきません。
もう一つの秘密は光です。年中、1日のうち16時間を光を点けた後の8時間を暗くしているのです。アゲハチョウには、秋に(日が短くなってきたころ)成長した幼虫は蛹のままで長い間ほとんど活動を止めていて一度は低い温度に遭わないと羽化しない性質があります。
この活動を止めている状態を休眠状態と言います。休眠状態の蛹は普通の蛹に比べ寒さや乾燥に強くなります。昆虫にとって厳しい季節である冬をうまく過ごせるようになっているのです。
休眠から覚め、活動を再開するには一定の寒さに遭うことと一定の期間が必要です。この性質のおかげで暖かい日が続いたからといって食べ物の無い冬の間に成虫が羽化してくることはありません。この性質を逆用して、明るい時間を長くして休眠に入らないようにしているのです。
動物ばかりではなく植物のキクなども光と温度の調節で花の咲く時期を変えることが出来ます。正月にキクの花が見られるのは、電照菊といってビニールハウスの中で光を当てる時間を調節して作られるものです。
生き物は、自然の条件に合った仕組みを持っているものですが、その仕組みは固定的なことが多く臨機応変に替えるという訳にはいかないようです。そこがわれわれ人間との違いであり長所でもあり短所でもあります。人間は生き物のそういう点を見つけコントロールし利用します。やはり、人間の方が一枚上手と言うことでしょうか。
上の記事の中にもあるように気温だけではなかったんですね。気温だけなら真冬の室内でも羽化してしまいます。これでは困ります。
チューリップも寒さに遭わないと奇麗に花が咲かないなんて聞いています。
それと同じように、休眠中に寒さに遭う、そして、日照時間の変化によっては春と感じ、ようやく羽化するのでしょう。
でも、休眠状態の最中は、どんな状態なのでしょう?
NHK子ども科学電話相談室⇩
なるほど。
でも、越冬する蛹の中身って、ドロドロの状態なのか、再構築した後なのか? まだまだ疑問が残っています。
これが抜け殻です。
まだ下部が柔らかいです。
ということは、今回のように暖かい室内に入れておいても、気温 (寒さ) と日照時間の調整が出来れば羽化させられるってことです。
室内だと暑すぎるからと、外に出しておかなくもてもいいということ。
★実は羽化しなかった蛹が、まだいくつか残っています。それらも羽化する可能性、ありますね。
それにしても、人間のように自分の目で見て確かめてから行動するわけではなく、ただ寒さに当たって、そして日照時間を感じて・・・そして羽化するのでしょう?
考えてみると、羽化した後に、どんな世界が待っているのか、自分だったら不安だらけで蛹化さえ出来ません。
セミはさらに長い期間幼虫で過ごします。木に登って羽化したら、全く別世界だったら戸惑うでしょう。映画にありそうな設定です。
いえいえ、神宮の森の樹木の伐採計画。この伐採で、何千、何万というセミの幼虫たちはどうなるのでしょう?
小池さん、そんなセミのことなんて頭にはないでしょうけど、とても気になります。