以前、投げ込み式のろ過器の清掃について書きました⇩
その後、同じようなろ過器の動画などを見ていたのですが、見た後で思ったことがあります。
それは、いずれも水槽の中に沈めて使っているということです。
せめて水槽の底に砂利を敷き詰めるならいいのでしょう。でも、池の場合は沈めてある植木鉢から流れ出た土や砂埃が堆積しています。
前回載せた写真。こんなに土がべっとりと付着していました。ろ過器が底にたまっていた土を吸い込んでしまった結果です。
つまり、池のように底に土がある場合は、投げ込み式のろ過器をそのまま沈めてはいけないということです。
今更、大発見です。
「池 ろ過器が土を吸い込む」で探しても、それに関する記事は見つかりませんでした。
ただ、このページ⇩で、ハッとしました。
大事なのは、太文字、赤字の部分です。
やってはいけない三原則その1 「土を入れる」
写真のように泥で濁ったビオトープを良く見かけます。濁りの原因は言うまでも無くビオトープの中に土を入れているからです。どうしてわざわざ濁りの原因となる土をいれるのでしょうか?理由を聞くと
・水を浄化するため
・水生植物に栄養を与えるため
・自然と同じ雰囲気にするため 等々
「ビオトープには水質浄化作用がある」と言われますが、多くの人がこの意味を誤解しているようです。特に「土の中にいる微生物(バクテリア)が水質浄化する」という情報を取り違えているケースが多いようです。
それでは自然界のビオトープと、お庭に人工的に作るビオトープのしくみを比較してみましょう。
お庭にビオトープ作る時には、水を溜めるために成型池などを用いて防水層を作らなければなりません。防水層を作るということは、そこで大地と遮断されるということですので、先述のような自然の物理ろ過、生物ろ過作用も遮断されてしまいます。つまり、人工的に作られたビオトープには基本的に水質浄化機能はありません。そこで、「土の中には水を浄化するバクテリアがいる」というネットの情報を鵜呑みにし、土や荒木田(田んぼの土)をビオトープの中に入れれば水質浄化(生物ろ過)されると思っている人が多いのですが、これが大きな間違いなのです。そもそも荒木田等の土は水質浄化を目的としたものではなく、稲や植物を育てることを目的とした栄養満天の土なのです。確かにバクテリアも含まれていますが、それ以上に水質を悪化させる元となる肥料分(窒素やリン)が大量に含まれていますので、水質浄化に利用できるシロモノではありません。つまり、水質浄化のためにビオトープに土を入れるということはまったくの逆効果で、むしろ水質悪化の原因となるのです。アクアフォレストのビオトープがいつも清澄な理由の1つは、土を絶対に入れないからです。
それではどうしてこのような誤解が生まれてしまったのでしょうか。確かに稲を植えたばかりの田んぼの水は澄んでいることが多いのですが、これは単に土が沈殿して澄んでいるだけで、まだアオコが発生する前の状態です。田んぼを良く見ると20cm位の間隔でびっしりと稲が植えられており、荒木田の栄養分をぐんぐんと吸収しています。更に、成長した稲は水面が見えなくなるほど穂が生い茂らせますので、日光を遮光して藻類の光合成をブロックしてしまいます。このように稲をびっしりと植えた状態だからこそ、栄養分たっぷりの田んぼでもある程度きれいな水質を保てるのでしょう。仮に稲を植えずに水だけを張った状態にしておけば、いずれアオコが大発生することになるでしょう。
そして何よりも問題なのは、土を入れたビオトープには循環用の水中ポンプを設置しても土を吸い込んですぐに故障してしまうため、水の循環ができないということです。
遮水シートを敷いてその上に土を被せる、という簡易な方法でビオトープを作ってみたがアオコが発生してしまい困っている、という方からご相談を受けたことがあるのですが、「なぜそのような作り方をされたのですか?」と質問したところ、遮水シートをネット販売するある業者のサイトに「遮水シートの上に土を被せる」という施工方法が紹介されているそうです。更にその中には「水の循環はせず水たまり状態で良い」「いつも水が澄んでいる必要はない」「電気代が掛かるから循環用ポンプは使用しない方が良い」「少しくらいアオコが発生しても気にしなくても大丈夫」等々、ビオトープの専門家から見れば恐ろしくなるような情報がたくさん載っているそうですが、 これらの情報を鵜呑みにしたままビオトープを作ってしまい、このような結果になった、というわけです。
ビオトープに発生するアオコの毒性についてのページで詳しく説明しましたが、アオコには毒性がありますので、子供やペットが触れる可能性のあるガーデニング分野のビオトープでは絶対に発生させてはなりません。そのためにはやってはいけない三原則その2 「溜池状態にする」で詳しく説明しました通り、衛生的なビオトープを作るには水を濾過するための循環は必要不可欠であり、そのためにも土は絶対に入れてはいけないのです。
「少しくらいアオコが出ても気にしなくて大丈夫」などという誤った情報を発信しながら遮水シートなるものを販売する業者がいるのであれば、ビオトープを作るお客様側の安全性や利益を考えていないのでしょう。正しい情報の見分け方のページでご紹介しました通り、ビオトープ作りで失敗しないためには、ビオトープ作り専門のプロから情報を得るのが間違いありません。
ビオトープに土を入れるということは、誤ったネット情報から広まった迷信であって、全く理にかなっていないという事がご理解いただけたでしょうか?自然な雰囲気にしたいのであれば、森の中にある澄んだ水辺を良く観察してみましょう。きれいな水質を保っているビオトープには必ずせせらぎがあります。湧水や清流の底を見ると、濁りの元となる土や泥はせせらぎに押し流され、底には石や砂が残されています。美しいビオトープを作りたいのであれば、土ではなく、小石を敷くのがベストです。(砂は水中ポンプを詰まらせる可能性があるのでお勧めできません) ビオトープの水には魚の排泄物や落ち葉などから作られる適度な栄養分が含まれていますので土が無くても水生植物は十分に育ちます。ビオトープに使用する小石は吸水性が高く、表面に細かな凹凸があるものを使用するとバクテリアが繁殖しやすく水質浄化により効果的です。・・・
ビオトープ施工業者の記事ですが、内容はしっかりしています。
この記事に出てくる「アオコ」とは、「グリーンウォーター」のことです。メダカを飼育している方には有名です。詳しくは⇩
室内の水槽なら小石を置いているケースはあります。その上に置く場合は小石を吸い込む心配はありません。でも土だったら、吸い込んでしまうでしょうね。
池の底に直にろ過器を置いてしまったので、ろ過器の底から土を含んだ水を吸い上げて、それがろ過機にこびりついてしまい、循環しにくくなってしまったというわけです。
かといっても、今更、池の中の土を全て取り除くことはできません。
どうしましょう?
底に置くと土を吸い上げるので、ろ過器を底から浮かせて置けばよいのではないかと考えました。
濾過器の嵩上げをすればいいんですね。
簡単なのは金属板をX型に組み合わせて、ろ過器の下に置けばいいと思います。
写真は10㎝程度のモノ。
市販品なら、こんなものかなー?と、排水口のメッシュごみ受け、蒸し器(スチームトレイ)、ざる、かご・・など、いろいろと調べてみました。
条件は、ろ過器が置けるほどの小さいモノ。バカでかくても邪魔です。高さは3~4㎝くらい。あまり低いと土を吸い込んでしまうだろうし、高過ぎると、ろ過器自体が水面から飛び出してしまいます。
条件に合いそうだったのが、これです⇩
Posio メッシュ キッチンアクセサリー 多目的 クッキングスタンド
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鍋敷きのような、蒸し器にもなりそうな、要するに多目的スタンドです。
水作 エイトコア Lが 12㎝ほどの八角形なので、直径12.9㎝、高さは2.7㎝なら乗せられそうです。 ちょっと低いかな? (試してみないと分かりません)
でも、安い (¥323) いんです。
ただし、ネックもあります。
お届け日 (配送料: ¥50 ): 10月26日 - 11月6日
またまた、遠くから配送されて来ます。
思いついたことを試してみることにしました。多目的スタンドを待っていられません。
いつもの嵩上げ器を作りました。手元にあったアルミ板が小さかったため、10㎝の小さなモノになってしまいました。
*針金は十字に組んだアルミ板が設置の際などに外れないようにするためです。
アルミ板が短いので、ちょっと不安定。ろ過器よりも少し大きめの方が安定しますね。
元々のろ過器の足はこんなに短いので、ほとんど底についている感じです。底に多数の孔があり、そこから水を吸い込むので、底にたまった土を吸い込んでしまうのは当たり前です。
10月5日の記事から9日目。もう粘土質の土が入り込んでいました。
エビが数匹。そして、土には、やっぱりミミズがいました。地上からわざわざ潜り込んだのでしょうか? 不思議です。
嵩上げ用の台が小さいので、慎重に上に乗せました。でも、傾きます。池の底が斜めになっているようですね。そのため、ろ過器の中の土が一か所にかたまっていたんです。
元通りにエアーを入れて設置完了。
水面まで余裕があるので、嵩上げの高さは4~5㎝ぐらいでもよかったみたいです。
多目的 クッキングスタンドが届くまで、これを使ってみます。
一週間後、取り出してチェックしてみます。
うまくいくといいなぁー。
《「ろ過器を考えてみた & エアレーション」に続く⇩》