スノーピークのHome & Campバーナーが登場した時は驚きました。カセットコンロと言う概念が吹っ飛んでしまったからです。画期的でしたよね。
イワタニ カセットフー 達人スリムII
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カセットコンロといえば、右側にボンベが収納されて、左側にバーナー・五徳・天板(汁受け)という、お決まりの、四角い形ばかりでしたから。
後発とはいえ、イワタニから久しぶりにライバルが現れました。
スノーピークは縦置きが基本。横置きの場合は斜めになりますが、イワタニは横置きの場合でも四角柱なので、とても安定しています。
パット見からわかること
この写真だけでも、いくつかの違いがわかると思います。
①スノピはバーナーにボンベがくっついた宇宙ステーションのような形。この形ゆえに、テーブル上では、スノピのコンロは意外と場所をとってしまいます。イワタニは、ほぼ四角。しかもアームがうまく曲がっていてケースと平行になるんです。
②スノピのボンベケースは円柱形 (シリンダー?)。一枚板を曲げたモノ。簡単に蓋が開いてしまいます。
イワタニは四角( スクウェア?)。アルミ合金。がっちりしていいます。
円柱形はコンパクトなイメージ。四角い方がガッチリして見えます。バーナー収納後、スノピは横置きは推奨されていません。
③スノピは本体のプラ部品に金属の蓋などをビス止めしているので、蓋をぐいっと広げるとコンロが歪んだりビスが破損してしまいそうなほど華奢なつくりです。
それに比べて、イワタニはほとんどが金属製。がっちりしていて、蓋を開けても歪んだりしません。
④バーナーが違います。
スノピは内炎バーナー。風に強いと言われています。一点集中型。
イワタニ製のバーナー⇩
どちらかというと、鍋向き。炎がクッカーの底全体に当たりやすい。
火力は?
スノピは、2.4kw(2,100kcal/h) 110分
イワタニは、2.2kw(1,900kcal/h) 120分
火力が強ければガスの消費も多いので、火力の強い弱いは、それほど影響はないかと思います。
弱火はどうなんでしょう? 煮込んだりするとき、弱火・とろ火って重要ですが。
バーナー設置
スノーピークは、五徳を引き出し、ボッチを押して270度回転させた後にバーナーを開きます。ケース自体柔いので、慎重に行う必要があります。
イワタニは、そのままバーナー部分を90度回転させた後に、五徳・脚を開きます。
この作業を行ってみると、いかにイワタニが簡単でスピーディーに行えるかがわかります。
五徳の大きさ・乗せられるクッカー
五徳の形・サイズも違います。
スノピは三点五徳。しかも、大きめの鍋が乗せられるようにと五徳が長いです。それに比べて、イワタニは四点五徳。より安定感がありますが、ただ五徳自体は小さいです。
乗せられる鍋の大きさ
スノーピーク・・最小φ14㎝~最大φ30㎝。
イワタニ・・・・最大φ24㎝以下 (最小は説明書に記載なし 五徳間が9㎝でトレック900では不安定。)
イワタニの方が小ぶりなので、それほど大きな鍋は乗せられません。
土鍋で号数と直径・人数をまとめてみると・・
8号 24cm前後 3〜4人用
9号 27cm前後 4〜5人用
10号 28〜30cm前後 5〜6人用
11号 31〜33cm前後 6〜7人用つまり、
スノーピークは最大φ30㎝。これって、かなり大きいですね。5 6人用です。輻射熱も大きくなる? こんなに大きい鍋って必要かな?
イワタニは 24㎝なので、3~4人用。普通のファミリーならこれで十分。
*ちなみに、イワタニの達人スリム (9号の鍋まで)、エコプレミアム (10号まで)、タフまる (12インチ=約30cmまで)
でも、大きな鍋を乗せられるかどうかって、それほど重要ではないと思いますが・・・それよりも、どちらも小さなシェラカップなどのクッカーは乗せられません。
*FUTURE FOX の「 スノーピーク HOME &CAMP バーナー 専用 五徳」が、 FORE WINDS フォールディング・キャンプ・ストーブにも使用可能と付け加わりましたね。さすが!
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何から何まで、全てこのコンロで調理するならいいんじゃないですか?
でも、これで、また一つ道具が増えてしまう・・・
カセットコンロ=鍋物・焼肉と考えれば納得がいきます。
わざわざコンロを出して、シェラカップで温め直すなんてしないでしょうから。
高さ比べ
わかりづらいですが、スノピの方がいくらか低い位置に五徳があります。それだけテーブルに近いということ。だからバーナーシートが必要になるんですね。
ところが、イワタニは最初から遮熱板付きです。輻射熱対策も万全。
たぶん、スノピのバーナーの企画段階で、いくつかのポイントがあったと思います。
コンパクトにするために、バーナーをボンベケースに収納できるようにする。30㎝までの大きな鍋に対応する・・・等々。鍋のサイズが30㎝まで使えるようにするには、五徳をかなり大型にしないと達成できません。そこで、大きな五徳を収納するために、こんなギミックを考え出したのではないでしょうか? もっと小さな五徳だったら、違う方法ががあったかもしれません。
それに比べて、イワタニは24㎝と普通の鍋が使えるサイズ。これだと小さい五徳で済むので、ギミックの設計も楽? ということで、こんな組み立て方が可能になったのかなー・・なんて想像しています。
それにしても、こういうギミックを考えるって、たいへんでしょうが、技術者にとっては新しいものを生み出していく楽しみでもあるでしょう。「生みの苦しみ」ですね。
自分が技術者だったら、寝ても覚めても一日中その事ばかり考えていると思います( ´艸`)
スノーピークの部品は大きくて長いです。特に五徳関連。
それに比べて、イワタニは小さな部品が多く、その巧妙な組み合わせで成り立っています。部品点数の多さ、製品を組み立てるときの手間・精度を考えると、イワタニの方が価格が高い理由が納得できます。
大雑把に言うと・・
初めてバーナーをケース内に収納した製品、その初代のギミック・スタイリッシュなデザイン・ブランドならスノピかもしれません。
ギミックの巧妙さ・組み立てやすさ・頑丈さ・遮熱板収納・安心安全なら、イワタニに軍配が上がります。イワタニが作ると、こうなる・・という見本です。
自分的には組み立て方が直感的にわかるイワタニがいいですね。キャンプ場に着いてから、どう組み立てるんだっけ?なんて、四苦八苦するなんて恥ずかしい。
SOTOのミニマルキッチンも同じ理由で購入には至りませんでした。最初は面白がっていじるでしょうが、いざキャンプで使うとなると、組み立てと撤収に時間はかかるし・・・
野外での使用を考えれば、タフまる、タフまるジュニアもあることだし・・・
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ただし、ソロキャンプではたぶん使わないかもしれませんね。
ST-310の方がコンパクトで扱いやすいし使いやすいからです。
ST-310+遮熱テーブルで十分かな?
《次回は、収納ケースを探して⇩》