OD缶やCB缶の色や模様・デザインが気になるからと、レザー製などのガス缶カバーをつけている方がいます。
ガス缶は燃焼時、気化熱のためガス缶自体が冷えてしまいます。(ドロップダウン)
そのため、ガスの気化がしづらくなり、燃焼も弱くなってしまうという欠点があります。
そのため、カセットコンロではガス缶を温めるためにわざわざヒートパネルが装着されています。バーナーからの熱を銅板などでカセットボンベに伝え、缶を温める仕組みです。
ところが、OD缶にしろ、CB缶にしろ、キャンプ用のバーナー (プリムス・ST-310など) にヒートパネルは取り付けられていません。そのため、使っていると、ガス缶が冷えて火力が落ちてしまいます。
そこでガス缶カバーに保温効果があると思い込み、取り付けている方もいますが、実は全く効果がありません。
温める効果があるカバーなら別ですが、ただ覆っているだけなのでガス缶は温かくならないのです。
逆にドロップダウンして 冷たくなっているガス缶を保冷する ことになってしまいます。冷たいペットボトルに保冷のための断熱カバーをつけるのと同じ。
もしガス缶カバーにヒートパネルと同じ働きがあるなら、イワタニのカセットコンロにヒートパネルの代わりに取り付けられていたかもしれません。
暖かい(暑い)季節だったら、温かい外気に触れさせた方がガス缶が温まるわけです。
真夏だったら、カバーのおかげで逆に缶が熱くならないかもしれません。
真冬なら外の気温が零下の場合は、ガス缶を寒さから守ってくれるはずです。でも、気化熱でガス缶自体が冷えてしまいますよね。
ネオプレーンとは
ネオプレーンというダイビングなどに使う素材がありますが、着用している人間の体温をキープ して暖かいので、この素材自体が熱を発生するわけではありません。冷たくなってしまったガス缶を温めてはくれないし、外気が高い場合でも、その外気の影響を受けにくくしてしまいます。
下は「ネオプレン保温保冷缶ホルダー クージー」
*クージーとは、保冷・保温効果のあるドリンクカバー。アルミ缶の冷たさを保つために取り付けるホルダーです。
《Amazon》
これを ガス缶に置き換えれば、気化熱でどんどん冷たくなってしまったガス缶の冷たさをキープするわけです。ドロップダウンにほとんど効果がないと言えます。
ただ、Amazonのモンベルのネオプレン製のプロテクターのレビューに「北海道で冬季に使用を検討していましたが、寒冷地ガス+このプロテクターで-15c位は使えました。」とありました。これが本当なら、凄い能力ですが・・・。
「寒冷地でOD缶を使う!モンベルのカートリッジソックプロテクターの感想」のページには、「人間の体温のように、ガス缶自体が一定の温度を保ち、発熱するのであれば、カートリッジソックプロテクターはより高い効果を発揮するでしょう。」とありました。
気化熱でOD缶自体は冷えてしまいますが、クッカーを使っている場合、その輻射熱でOD缶が温められていると考えられます。それがヒートパネルの役目をしているんですね。
ということで、
「結論から言ってしまうと、効果を期待しすぎない方がいい、ということです。」(同記事より) となるのでしょう。
つまり、ガス缶カバーの役目は・・・
①ガス缶に触った時の冷たさを防ぐため
②ガス缶の見た目を「おしゃれ」にするため
この二つだと思います。
僕は面倒なので、カバーを取り付けようとは思いません。
カバーによって、ガス缶自体が大きくなってしまうので、収納するクッカーに入らなくなります。また、いちいち取り付けるのも面倒。
「おしゃれ」って、インスタも含めて誰かに見てもらうためでしょう?
キャンプ場で誰も見ていないのに「おしゃれ」をしても意味がありません。誰かに見てもらわないと。そこで、写真をブログにアップするんです。
もともとキャンプって自己満足の場ですから、納得いくし、それ(カバー)もアリだと思います。